フレンチバルブの
リムナット(バルブナット)について。

クリンチャータイヤのチューブは、
バルブ外周にネジが切ってある物と、
チューブラータイヤの様に
ネジ切り無しの物が混在していますが、
現在は、
ネジが切ってある物がほとんどです。

その場合、リムナットは使いますか?

チューブラータイヤが殆んどだった時代の昔から乗っている人の間では、
使わないという人も多いのですが、

【私は使います】

何故なら、
アルミリムでは普通のことですが、

リムのバルブ穴に,何らかの樹脂が挿入されていない場合、
リムナットを使わないと、
リムの穴とバルブが接触して、
走行中にカチカチ音が鳴ることがあるからです。

チューブラーと違って
【接着されていない】ことも一因ですが、

走行中の振動でバルブが揺れてリム側の穴と接触し、
カチカチと音鳴りすることが非常に多いのです。

それを防ぐ為に、
バルブにビニールテープを巻くとか、
バルブ根元にエポキシ樹脂等を塗る等の小細工をすれば、
金属同士が接触しないので音鳴りはしませんが、 それをやるのは面倒です。


だけど、リムナットって、
最初からチューブに付いてくる物って、
鉄にメッキされた物で、
見た目もローレット加工された物ばかりで、

何よりも見た目が
【クソダサい】じゃないですか?

出来れば、もう少しカッコ良い物に
交換したいですよね?

だけど、
市販品では何故か売っていません。

KCNCとかTOKENで出せば売れるだろうに、何故 売らないだろう?


..........と、いう訳で自作してみました。

イメージ 1

イメージ 2


酔っ払ってからスマホで撮影したので、
全くピントが合っていません。
なので画質についてはスイマセン。

これは、
市販のM5(並目)のA7075アルミナットを
追加工した物です。

具体的には、
M5ナットにΦ5.5のドリルを通し、
タップを切り直しています。

M5ナットを使うのは二面幅が8ミリなので、元々付いているリムナットより
外径が小さくなりスッキリした外観になるからです。

因みに画像の物は、
上の方をテーパー状に加工しているし、

6面とも強度は無視した貫通穴を空けて
見た目の格好良さを重視しています。

 締付けトルクは全く必要無いどころか、


【工具を使わず指先でつまんで締める】
のが正解で、それ以上のトルクを架けるのは、バルブがチューブから剥離する原因になり、絶対にやってはならないので
ナットの強度は全く必要ありません。
なので穴ボコにしても問題ありません。

見た目の格好良さを気にしないなら、
普通のM5ナットを加工して、
フレンチバルブに合うリムナットに
改造するだけなので、
適合するドリルとタップさえあれば
誰にでも出来ます。

さて、ここから
今回の記事の本題ですが、

フレンチバルブのネジ規格を
知っている人はどのくらい居るでしょうか?

ググれば分かることではありますが、
【ココに正解を書きます】

メートルネジではありません。
インチネジの
ユニファイ でも、ウィットワース
でも、ありません。

【自転車バルブ用ネジ規格】と、
いう、完全に専用の規格で、

日本では、
JIS規格の【 D 9422 】に
【明確に規定】されています。
具体的には、【6V1】という規格で、
メートルネジに無理やり換算すれば、
[ M6.15 ] で[ピッチ0.8 ]に相当します。

【D 9422】で調べれば、
詳細に寸法が載った表が出ます。

ピッチは勿論、
ネジ山の、山の径や谷の径、角度、
山と谷のRの大きさ等まで。

ちなみに、 OSGや、ヤマワに、
その物ズバリの【6V1】のタップは、
特別流通品としては在りますが、
ある程度は、まとまった本数でないと
作ってもらえませんので、
通常はメーカーからタイヤメーカーに
直納する品であり、
一般人が買うことは、ほぼ不可能です。

Amazonでも、
ヤマワ社の、【6V1】のタップは、
ズーっとズーっと、遥か何年も前から、
【一時的に品切れ、入荷時期未定】
と、なっていますから、
かつては売ったことが有るのかも知れませんが、今後も入荷する可能性は非常に低いでしょう。

でも、リムナットを作りたいとしたら、
どうすれば良いのか?

私が20年以上前からやっている方法ですが、
ネジ外径が非常に近く、
ピッチが全く同じである、

【M5のヘリサートタップ】
を使うのです。

イメージ 3

一番右側のパイロットタップを含め

4本在りますが、全てが 微妙に径が違います。 
一番左側は0.03ミリオーバーサイズです。

因みに、
M5のヘリサートタップの下穴径は
Φ5.2なんですが、
Φ5.2ドリルの後に
ヘリサートタップを通しただけでは、
先ず通りません。
6V1の方がネジ山の谷の径が大きいからです。だから下穴は、
Φ5.4からΦ5.5 で空けます。

これで、
パナレーサーのフレンチバルブに通るナットは出来ます。(スルスル通ります)

ビットリアのチューブだと、
かなり固い感触ですが、無理やりネジ込めば入ります。

しかし、

シュワルベとコンチネンタルのチューブだと
2山~3山くらいしか入らない場合があります。

同じ規格でも
メーカーにより径で0.03mmくらい違うのは
良くあることですし、
転造ダイスの山が段々ヘタって来るので、
ロットによりネジ径は微妙に違って来ます。
だから、
タップを無理やり【コネクリ回して】

コジル様にネジ山を拡げて使っていました。

そんな中、Amazonで、
中華製の安い【6V1】のタップを発見して

直ぐに注文しました。
確か900円くらいだったと思いますが、
中国からの送料も掛かるので、
値上がりしてたらオススメはしません。

イメージ 4

https://www.amazon.co.jp/gp/aw/d/B06ZZ1JZNX/ref=yo_ii_img?ie=UTF8&psc=1

これは、正に6V1規格の径になっており、

オーバーサイズM5ヘリサートタップより
更に0.1mm位は太いので、
これを通せばシュワルベのバルブでも、
コンチネンタルのでも普通に通ります。

6V1-32と記載されておりますから、
JIS規格とは厳密には僅かに違うのですが、
25.4ミリ間で32山なのだから、
ピッチは0.79375ミリとなり、
実質、同じピッチと考えて構いません。

【ナットの厚みも薄く、5山くらいしか架からないのですから、全く問題ありません】

ただし、中国製の安物なので、
材質はハイスではあるものの、
刃先の耐久性は期待出来ません。
だから、
【M5のヘリサートタップを通した後】
の、最終仕上げと考えるべきでしょう。

被削物も、アルミなら問題無いですが、
チタンなら 恐らく無理でしょうね。